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『おひざのぽぽちゃん』、早くも第(2)巻が発売という事で、今回は『おひざのぽぽちゃん』
という作品そのものについての逸話などをお伺いしたいと思います。
まずは、このタイトルは、どんな所から命名されてるのですか? |
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ん〜、と・・・、まぁ、そんな仰々しく何か意味があるって事はないんですけども。(苦笑)
まぁ、いつもの事で、イメージ的にパッと浮かんだものをタイトルにしちゃったという事ですね。
初めに浮かんだのは、『おひざの上のぽぽちゃん』ってものでした。
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それは、また、何か、スタジオ・ジ●リみたいな響きですね。(笑) |
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そうそう。(笑)
僕もそう思って、それは却下しました。(笑)
何かの模造になると、それは、やっぱりマズイですし。
ただね、それが作品とマッチしてれば、タイトル自体はそれでも良いのかも知れないと思って、
「『おひざの上のぽぽちゃん』ってタイトルだったら、どんなイメージに仕上がるだろう?」って、
一度頭の中でシュミレーションはしてみたんです。
すると、やっぱり、ちょっと違和感があったんですね。
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違和感・・・? |
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そう。感覚的にですけど、何か無機質な感じで耳に響くというか・・・。
「おひざの上の〜」っていう言葉・・・ですかね、何か、「無機質な物質」を指してるみたいに感じた
んですよね。そのタイトルの場合だと。
せっかく「おひざ」って子供に話して聞かせてあげるような可愛らしい言葉を使ってるのに、
その上に何か乗ってるっていう、それも、どことなく邪魔な感じで何かが乗っかっちゃってる、
みたいな感じがちょっとするかな〜、と。
そんな風にちょっと思えたもんですから。
だから、「上の〜」っていう形容詞は、取っ払っちゃったんですよ。
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なるほど〜。それが、『おひざのぽぽちゃん』ってタイトルになる訳ですね。 |
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ですね。
前のタイトルに比べると、「おひざ」と「ぽぽちゃん」の間にあった形容詞を一つ無くしただけなん
ですけど。
でも、そのおかげで両者の間にあった余計なものが消えてなくなったような感じがして、
何気に一体感ができた気がして、僕は結構気に入ってるんですけどね。
どうでしょうかね?
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「おひざ」と「ぽぽちゃん」は、それぞれが別物〜ではなくて、合わせて一つの物。
・・・っていう事なんですね。 |
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そうですね。
それは、この『おひざのぽぽちゃん』って作品の一つのテーマでもありますし。
作品テーマを短いフレーズの中に込められたって意味でも、名付け親としては気に入ってます。
・・・・ただの自己満足かも知れないですけどね。(苦笑)
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次は、『おひざのぽぽちゃん』のシリーズ構成の話を伺います。
『おひざのぽぽちゃん』が、まつはらさんの他の電子書籍と違う所として、毎回巻末に
「次回予告」が入ってる所だと思いますが、これは連続TVアニメを観てる様ですね? |
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まさに、それをイメージして、やってます。
連続TVアニメは、毎回、本編が終わると、心地良い音楽と共に次回予告が入りますよね。
子供の頃好きで毎週観てたアニメって、本編よりも次回予告の方が印象に残ってたりもするん
ですよね。
良い音楽と良いナレーション、リズミカルで強烈に胸に残る言葉がね〜。
そういうのが、僕は、子供の頃からすごく好きだったんです。
アニメと本は、似た所もあるけれど、違うと言えばものすごく違うんではありますけどね。
アニメは、動く絵と音で表現するもので、一方的に与えられる刺激を観る側が受け取るだけで
成立する媒体ではありますよね。
それに対して、本の場合は基本的に文字だけ。絵があっても、アニメみたいに実際に動く事はない。
止まった絵です。
なので、本は、読者側の想像力なくしては成立しない媒体だとは言えます。
でも、そんな理屈はどうでも、そこに表現されてる「空想力」とか「魂」って部分は同じものだと思い
ますし、これは良いな、好きだなと思った事は、とりあえず試してみても良いんじゃないかな?って
いう・・・。
まぁ、そんな感じで、ちょっと、やってみたんです。
書き手の「お遊び」って言えば、お遊びなんですけども。
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なるほど〜。
すると、各単行本にサブタイトルが付いてるというのも・・・? |
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これも、まぁ、お遊びと言えば、お遊びなんですけどね。
ただ、一つには、この『おひざのぽぽちゃん』は長編ストーリー物を想定して描き進めてるものです
ので、この先巻数が増えて行った時は、サブタイトルが付いてた方が物語の内容がとらえやすいん
じゃないかな?〜って気持ちもありました。
読者の方にも、描き手の僕自身も、分かりやすく・・・って事ですね。
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確かに、冊数の多い単行本って、「あれ?3巻って、どんなん話だっけ〜?」って分からなく
なる事はありますね。
サブタイトルが付いてると、分かりやすいです。
『おひざのぽぽちゃん』のサブタイトルは、1巻では「綿毛の娘」でした。
これは、≪たんぽぽちゃん≫の事を指してるんだろうなとすぐに分かりましたが、2巻の
「たんぽぽのおかーちゃん」というタイトルは漠然とした印象を受けました。 |
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「たんぽぽのおかーちゃん」は、誰か一人を限定して指してるものじゃないですからね。
一つには、たんぽぽちゃんの「おかあちゃん」を指す言葉ですけど、これには保護ママさん
がそれに当たるでしょうし、里親さんももちろん当てはまるでしょう。
たんぽぽちゃんは保護ママさんを「おかあちゃん」だと感じていた訳ですし、これから行くで
あろう里親さんもたんぽぽちゃんは「おかあちゃん」だと思う事になるでしょう。
そういう意味では、「おかあちゃん」のバトンの受け渡しがあったエピソードが第2巻だった、
とも言えると思います。
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≪たんぽぽちゃん≫を産んだ母犬もここに登場するのかと初め思いましたが、2巻には
登場しないんですね? |
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ええ。たんぽぽちゃんを産んだ母犬、たんぽぽちゃんの本当のお母さんですね、
この子は、第1巻には絵でのみ登場してるんですけど、2巻には登場させていません。
ここの所は簡単には語れない複雑な話があるんだと、僕は思ってる所ですので。
2巻ではまだそこは語らないで、3巻か、もしかしたら4巻以降になりますかね?
改めて、その辺の話は描こうと思ってます。
まぁ、今かいつまんで話すとしたら、「繁殖犬」をさせられてた犬は皆子供がいるんです。
皆、母親もしくは父親だったんですよ。
たんぽぽちゃん自身も、「子犬達の母親」だったんです。
そうした所で、いろんな経験がある訳だし、いろんな想いもあるはずなんですよ。
それは、とても一口では語れるものではないと思います。
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なるほど〜・・・・。
そして、そのあたりの謎も、今後の続編で明らかになって行く訳ですね? |
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ん〜・・・、まぁ、「謎」かどうかは、分からないですけど。(苦笑)
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そう言えば、「≪たんぽぽのおかーちゃん≫というタイトルには、三つの意味を込めた」
という話も伺ってるのですが?
「“あの人”と“あの人”と、そして、“誰か”」だとか? |
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ん〜・・・。ズバリ正解を言ってしまうのも、ヤボったいとは思いますけども。(苦笑)
まぁ、察しの良い方にはバレてると思いますので・・・。(苦笑)
「たんぽぽのおかーちゃん」とは、誰なのか?・・・と言うと、
一つには、それは保護ママの事で。
二つ目には、里親のママの事で。
で、三つ目は、これは「読者の方」であったら良いなぁ・・・・、と。
この『おひざのぽぽちゃん』という本を読んで下さった方がたんぽぽちゃんという子に触れて、
この子を「自分の子」のように感じて下さると良いなぁ、と。
もし「母親」のような気持ちが生まれたなら、その人の身近にいるであろう「いろんな子達」が
たんぽぽちゃんみたいに「おかーちゃん好き♪」って思えるような機会とかもまた増えるかも知れ
ないなぁ、と。
そういうものが、「たんぽぽの綿毛」の降り立つ「お母ちゃん」へとつながってくれたなら、
それは良い事なんじゃないかなぁ、と。
まぁ、そんな感じの願いを込めて、付けたサブタイトルだったりは、するんですけどね。
読まれた方には、さて、どう映ったのでしょう?
それは、実際に聞いてみないと分かりませんけども。(笑)
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・・・なるほど〜。
そうした隠されたテーマみたいなものが、サブタイトルには込められているんですね。
そうすると、第3巻の「幸せのおかゆ」というサブタイトルにも、何か含みがある訳ですね? |
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ん〜・・・、含みと言う程のものかどうかは分かりませんけど。
「次の3巻ではこういう物語を描きますよ」っていう宣言みたいなものにはしたつもり・・・なんです
よね。
このサブタイトルをパッと見せられて、「ははぁ、次の話はこういうものなのね」ってすぐに分かり
そうな人って、ぽぽちゃんのご家族だけでしょうけどね。
その他の読者の方達には、「次は、どうなるんだろう?」っていろいろ想像しながら少しでも
ワクワク感みたいなものが生まれてくれたら、それは良い事なんじゃないかなとは思います。
・・・・ん?話がそれましたかね。(苦笑)
え〜と、
3巻の「幸せのおかゆ」は何せまだ描いてないものですから、今から「こんな話です」なんて
あんまり言えないんですけど。(苦笑)
ただ、描くつもりでいる事は、一つにはぽぽちゃんの身体の事です。
ぽぽちゃんが肉体的には今どういう状態でいるのか?って所は、1、2巻では全然描いてません
から。
今回はその辺の事を少し描いておく、と言うか、描き始めて行こうかな、と。
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なるほど。
≪ぽぽちゃん≫は保護犬だったという事で、過酷な環境で生きて来たという過去もあった
訳ですね。
そこで、肉体的にも、いろんな問題を抱えているんじゃないか?、と。
その辺りの話が、次の第3巻では、読む事ができるんですね。
・・・・っという辺りで、そろそろお時間となった様です。
今回のインタビューは、ここまでという事で。
また次回、機会がありましたら、よろしくお願い致します。
本日は、ありがとうございました。 |
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いえ、こちらこそ、ありがとうございました。
また、何だか、よく分からない話ばかりしちゃったかも知れませんけど。(苦笑)
皆様、『おひざのぽぽちゃん』を、どうぞ、よろしくお願いします。 |