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ポメ天使☆ 書籍リスト



・・・インタビュアー ( X )     ・・・作者 ( まつはらともふみ )


『ポメ天使☆』の登場キャラクターはほとんどに実在のモデルがあるそうですが、
その辺りで何かおもしろい裏話みたいなものがあれば、教えてください。
 ・・・・そうですね。
例えば、まろんちゃんの耳ですかね。
犬に詳しい人ならお気づきだと思いますが、まろんちゃんの耳はタレ耳に描いてあるの、
あれ、実はおかしいんです。
ポメラニアンの耳は、だいたいピーンと立ってますからね。モデルにした子も、ちゃんと耳は
立ってましたし。それを承知の上で、『ポメ天使☆』のまろんちゃんという漫画キャラは、
あえてタレ耳にしてるんです。

じゃあ、なぜそうしたかと言うと、これはもう、僕の「初見のイメージ」ですね。
初めてまろんちゃんという実在のポメラニアンを見た時に、その子は、パタリと耳をふさいで
自分の世界に入っちゃうような性格に見えたんです。
いつも伏せ状態で、誰か来ても、さして興味もなさそうにチラッと目だけ上を向けるような子。
上目遣いにね。
実は神経質で寂しがりなんだけど、周りとの接触はあまりしたがらない。
少なくとも、そんな態度を周りに見せてる子・・・・ですかね。
 これは、あくまで、写真数枚見ただけの僕の勝手な印象ですよ。
飼い主さんに確認をとってる訳でもないです。でも、とにかく僕にはそんな風に見えたんです。

 漫画や絵を描く上で初めのイメージに勝るものはないって、いろんな所で痛感させられて
ますし、パッと見でそう見えたんだから、そのまま描いちゃえ!って事で。
それが、作画イメージとして「タレ耳」になったって事ですね。
その結果、描き手としては、その辺のねらい通りにはなったかなと思います。
 ・・・まぁ、読者の方がどう受け止めるかは分かりませんけどね。
  
・・・なるほど〜。いろいろと考えるものなんですね。
 (笑)
・・・・まぁ、それなりに。(笑)
 
では、≪ひめちゃん≫は、どうでしょう?
 この子は、僕は実在の子の写真をあまり拝見してないんです。
ただ、「ひめ」なんていう名前を付けられてる位だから、パピーの頃から女の子女の子した印象
の子だったんじゃないかと。
・・・・これは、もう、ただの連想ですけどね。

 で、犬は自分の名前をちゃんと認識しますから。
自分の信頼している飼い主が付けてくれた名前で、愛をもって呼びかけてくれる名前な訳だか
ら、それは、もう完全に自分の名前として身体に染み渡らせますよね。
そうすると、いつも「お姫様」って呼ばれてる訳だから、先天的なものに加えてどんどんその傾向
は強くなるでしょうから、今ではもうすっかり「姫キャラ」に染まってるだろうな、と。

 ・・・・それが、僕がこのひめちゃんという子に抱いたイメージです。
それができれば、後は、そのイメージを漫画絵に転化してやるだけな訳でして。
身体の色をピンクに塗ったのも、そのイメージを端的に伝えたかったからなんですよね。
本当は、ピンクのポメラニアンなんていないんですけどね。
これは、漫画のウソでもあり、固定観念にとらわれない漫画の自由な発想でもありますかね。
 
≪ひめちゃん≫がタレ目で、ウルウルした瞳に描いてあるのも、そのため・・・?
 ですね。
大ざっぱに見れば、≪ひめちゃん≫と≪まろんちゃん≫は姉妹でしかも同じ家で暮らしてた訳だか
ら、本当はそっくりなルックスじゃないとおかしいんですけどね。
一緒に散歩させてたりすると、近所の人とかに必ず言われるでしょう。
「やっぱり、似てるわね」、なんて。

「漫画だから、描き分けてないと、どっちがどっちだか見分けがつかないから」っていう発想もあり
ますけど、でも、それより何より、彼女達自身の考えはどうだろうか?と考えてみる。
そしたら、
「私達がそっくりですって?全然似てないわよ!」
〜って言うかも知れない。
彼女達からすれば、お互いに相手の違いを認識してる訳で、
「私達の違いが分からないなんて、眼が腐ってんじゃないかしら!失礼しちゃうわね!」
なんて心外に思うかも知れない。

 そうした所で、あくまで彼女達目線で、ルックスも描き分けてるんです。
「よく見りゃ似てるんだけど、やっぱり違うね」って気分で。
そうした方が、彼女達自身も嬉しいだろうし、気持ち良く動いてくれるだろう、と。
 実際、描いてて、よく動いてくれましたしね。
『ポメ天使☆』は彼女達主導の彼女達物語なんだから、それで良かったんだろうとは思ってます
けど。
 
≪キララ≫の場合は、どうですか?
ずいぶん重いものを背負ったキャラクターですけど・・・・。
 あのキャラクターには、具体的なモデルはいません。
と言って、まるっきり作り話でもないです。
ああいう目に会った子の話は何件も耳にしてますし、写真も目にした事があります。
ニュース等でもよく取り上げられてますし、あれが特殊な例だと言えない所が残念な限りですが。
 
 その件に関しては、作中でも触りだけ描いて後は語っていないんですけどね。
キララの回想シーンを描いてた時の事を思い出せば、あの一連の絵を描くのは本当に嫌でしたね。
言葉は悪いですが、ぶっちゃけて言うと、「むなくそが悪い!」ってものでした。
あれらを描いてた時の僕は、完全にキララの怒りに同化して、はっきり人間を憎みながら筆を動か
してましたね。

 僕も人間である限り、その考え方もおかしいと言えばおかしいんですけど、あれを描いてる時の
自分にはそういう気分はあったんですよね。
「よくも、こんな場面を描かせたな!お前ら、絶対に許さん!一生恨んでやる!」ってものが、ね。
 
・・・・・。
かなり強い感情が、あそこにはあったのですね・・・・。
 ・・・・・ありましたね。
だから、人によっては、あの場面を見た時に、「何だか、殴られてるような気がする」って感じる人も
あるかも知れないなと、ちょっと思ったりもするんですよね。
もしそうだったら、そこはそういう事をするつもりじゃなかった所だから、それは申し訳ありませんでし
た。という事になりますけれども・・・・。
 
・・・・やっぱり、ちょっと重いテーマではありますね。
 ・・・・そうですね。
だから、「天使シリーズ」は、ちょっと辛いです。
描いてる時も、描いた後も。

 これで何も読者の人から向上心を持った意見が届かなかったら、僕も救われやしません。
・・・・これは、グチですけどね。(笑)
 
(笑)ちょっとオチましたね。(笑)
では、また話を戻しまして、いよいよ≪ポメちゃん≫についてお聞きしたいと思います。
 ポメは僕のかつての愛犬であり、絵本漫画『ポメ』と同一キャラクターでもあります。

 ポメには本当に救われてますよね。僕自身が。
彼女が登場しなかったら、この『ポメ天使☆』という話は描けなかったろうと思います。
 
≪まろんちゃん≫達だけでは、無理でしたか?
  「直情的にケンカする女の子達の間に、仲介役を入れてあげる」ってだけでも、≪ポメ≫の
果たしてる役割は大きいんですよね。
もしポメがいなかったら、「ケンカだけして、おしまい!」って、なっちゃったでしょうからね。(笑)
「ポメ天使達は、天使の国で険悪な空気になってしまいましたとさ。」・・・なんて、終わり方して
ちゃ、シャレにも何にもなりはしませんからねぇ。(笑)
 
確かに。
ケンカした子達を仲直りさせて、しこりも取り除いて、心の傷まで癒しちゃう。
≪ポメちゃん≫って、何て良い子なんでしょう。
 本当にね。(笑)
飼い主がダメダメだった分、しっかりしちゃったんでしょうかねぇ。(笑)
 
そう言えば、≪ポメちゃん≫の持っていた≪絵筆≫ですが、あれは作者さんの持ち物
だったっていうのは本当の事なのですか?
 本当の事です。
ポメの亡骸を土葬した時、棺箱の中に一緒に入れてたんですよね。
横になったポメの、ちょうど背中の辺りに縦置きにしてね。

 でも、そんな事、僕はずっと忘れてたんです。実は。
それを、今回『ポメ天使☆』を描こうかと決めて話を考えてる時に、頭の中にフッとポメが
降りて来まして。
創作で頭を悩ませてると、何か一つのトリップ状態になる時があるんですけど。
何か、起きてるんだけど、夢の中にいるような感じ、って言うのかな?

で、その夢の中で、その時、ポメの手に大きな筆が握られてるのが見えたりなんかして。
ポメのやつ、それを自慢げに振り回してたりする訳ですよ。
何してるのかなぁ?と思って見てると、どうも空中に絵を描こうとしてるらしいんです。
僕が絵を描いてるの、よく横で見てたから、それを真似してたんでしょうかね。
 それをボ〜ッと眺めてたら、何か凄く癒されて来まして。
「すごいな、ポメ。それ、まろんちゃん達の前でも、やって見せてよ」、と。
 
それを、そのまま物語に描いた、と。
 ですね。
空に絵を描くなんて事、他のマンガ等でいくらでもありますけどね。そんなの関係なく、あのポメ
の姿に僕は癒された訳なんで、そのまんま描いちゃったんです。

 「何だ、パクリか」とか「ありふれたアイデアだ」とか(なじ)られても別にいいや、と。
下手くそなのは漫画に描いた僕なんであって、それにはポメには全然落ち度はない訳なので。
それなら、それで、全く問題はないだろう、と。
 そう僕の中で結論づけて、ああいう風に描いた訳です。
 
≪神様≫が登場して来なかったのは・・・・?
 ≪ポメ≫がいましたからね。それで事足りたんでしょう。
天使達だけで問題が片付くなら、その方が良いでしょうから。
子供達で相談して解決できる所にわざわざ親が顔出してあれこれ指図する必要もないでしょうし。

それに、神様も数足らずで忙しかったりもするんじゃないかな、と。
 
・・・・あ、後、気になったのは、
≪まろんちゃん≫がポメラニアン四匹と暮らしてたって物語にはありましたよね。
でも、雲の国には三匹目の子はいませんでした。
それは、どうしてなんでしょう?
 それは、忙しく飛び回ってる神様のそばで助手をやってるから、かも知れません。

 ・・・まぁ、それはもっともらしい理由付けとして、実際の所は、あの話を描いてる時点では、
作者の僕自身が三匹目の子の事を何も知らなかったからです。
モデルにした子の事を、ですね。
知りもしない事は無責任に描かない方が良いだろうって思いましたんで、流してしまったんです。

 実在のまろんちゃんが四匹姉妹として育ったというのを事実として僕が知っている以上、
そこは変えられないと、まず思いました。
物語の辻褄あわせだけでその家族関係設定を変えてしまうと、まろんちゃんの性格から物の
考え方、ひいてはママ達の彼女に対する接し方まで根底から変わってしまう。
三人姉妹と四人姉妹では大差ないようで実は結構違いがあるって事、よくありますしね。

 その辺を踏まえて、物語の流れ的には少しスムーズさには欠けるんだけれども、そこは
何となくぼかしたままにしました。
「ルーちゃんなら、今ちょっとお出かけしてるのよ」ってセリフをひめちゃんに一言言わせれば、
モヤモヤ感はなくなったでしょうけど、物語の流れからしてそれを入れる所がなかったんです
よね。
無理に入れると、本当に取って付けたような感じになってしまいますしね。
 
・・・・なるほど〜。
これは、本当に、裏話中の裏話ですね。
 そうですね。
あまりきれいにはまとめられなかった、良くない例の裏話かも知れませんけど。(笑)
もっともらしい事を言いつつ、実は、後から言い訳してるだけ、みたいな。(笑)
 
(笑)でも、ここまで読まれる人は、そういう話も喜ばれるんじゃないでしょうか。
 そうなんですかね。
まぁ、喜んでいただけるなら、何でも良いんですけども。(笑)
 
では、今回は、ここまで、という事で。長々とありがとうございました。
 いえいえ、こちらこそ。
『ポメ天使☆』、どうぞ、皆さん、よろしくお願いします。


    special thanks
     のんびり歩こっっ     いつもいっしょに     あんこちゃん
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