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ポメ天使☆ 書籍リスト


・・・インタビュアー ( X )     ・・・作者 ( まつはらともふみ )


まずは、『ポメ天使☆』という作品が生まれた経緯(いきさつ)から伺(うかが)いたいのですが、
この作品の企画は、やはり『フェレ天使☆』の続きといったようなものなのでしょうか?
 出来上がった「本」としては「同じシリーズ物」という事になりますし、「続き」と言って良いもの
ですけど、この話を描こうと思った当初は、必ずしもそういう風に考えていた訳ではないんです。
『フェレ天使☆』を描き上げた時点では、「うわっ、こんなシンドイもの、もう描けないぞ!」って
思いましたし。
 
それは、やはり、「動物の生き死に」がテーマになってるから・・・?
 そうですね。
家族であった者に死なれた経験があれば分かると思いますけど、それについて何かを語れと
言われると、非常に辛いものがありますよね。
それは、実はものすごく痛い傷になってる所だから、触れられたくないし、触れたくもないという。
 
そんなテーマの作品を、今また改めて描かれたのは、何故なのでしょうか?
 交流のあった方の愛犬≪まろんちゃん≫が亡くなったという事を知ったのが、
きっかけですね。
 
本の中でも触れられてた、『ポメ天使☆』の主人公≪まろんちゃん≫のモデルになった
ワンちゃんの事ですね。
 そうです。

 僕の本を何冊も購読してくださってる方の愛犬なんです。
そのきっかけで、ブログ等で交流させていただいてるのですが、その方のお宅では、
ポメラニアンのシニア犬を四匹も飼われてたんです。
 それを聞いて、最初は「ああ、良いなぁ。うらやましいなぁ」と思いました。そしたら、次に、
そのポメ達は13〜14歳の高齢犬だという事が分かって、びっくりしました。
 
それは、すごいですね。10歳位で亡くなる事もあるのに・・・。
 ですよね。
うちのポメなんて6歳だったから、余計に凄い高齢に感じてしまいました。
大事にされてるんだろうな、きっと幸せな一生を送れてるんだろうなと思いました。

そう思うと、うちの≪ポメ≫の6歳なんて短すぎますよね。
嫁ぎ先がこんなダメ飼い主の所じゃなきゃ、ポメももっと長く生きられたろうに。
ポメもこの人達の子供になってた方が幸せだったのかも知れないな・・・とか、
いろいろ考えて、内心凹んだりもしましたけど。
 
≪ポメちゃん≫の幸せは、≪ポメちゃん≫自身に()いてみないと分かりませんよ。
 ・・・そういう事なんでしょうけどね。
頭ではそれは分かるんですけど、感情面で、やっぱりクヨクヨとはしてしまいます。(苦笑)
 
≪まろんちゃん≫の死が執筆のきっかけだったと言われましたが、
実際には、どのようなお考えがあったのでしょうか?
 ≪まろんちゃん≫が逝ったと知って、まず、凹みました。
高齢犬という事もあって、心の準備はしてましたけど、やっぱりね・・・。

その後、飼い主さんから様子を(うかが)ったりしつつ、「まろんちゃんは、今何を思っている
んだろう?」っていうような事を、しばらくぼんやりと考えてました。
そしたら、ある時、何か、まろんちゃんの声が聞こえて来たような気がしたんです。
 
いわゆる、空から「降りて来た」みたいな感じですか?
 感覚としては、そんな感じなんでしょうかね。
ただの錯覚や能天気なモノカキのただの妄想だって可能性もありますけど。(苦笑)

 でも、とにかく、まろんちゃんが「か〜ちゃん達に伝えてほしいのよね」なんて言ってるよう
な気がしたんです。その時に。
だったら、「イタコ」役だろうが何だろうがとにかく僕自身がそれをやるしかないだろうな、と。

幸い僕には漫画という表現手段があったもので、それなら漫画にするしかないだろう、と。
そんな感じで、描く事になった訳です。
・・・いえ、「描く羽目になってしまった」と言った方が、僕としては正しいですかね。(苦笑)
 
大変、ご苦労されたご様子で・・・。(笑)
 ええ、それは、もう。大騒ぎで。(笑)

 それに、その子の死が執筆のきっかけになってるものな訳なので、そういう意味では、
本当に因果(いんが)なものだなと思います。僕の執筆人生なんてものは。
『ポメ。』にしろ、『フェレフェレ☆ま〜ぶる』や『ひよこでしゅ。』、あれらの話は、全部、
あの子達と死に別れた事がきっかけで生まれたものですしね。
描いてる側としては、実は内心ものすごい感傷的なものがある訳で。

 でも、感傷的な気分だけで描くのは嫌だし、そんな作品を見る事も嫌なので、とにかく
明るく元気な姿を追い求めてやっている訳なんですよね。
それで、やっと、何か少しは救われたような気分になっている。
 それからすると、やっぱり『ポメ天使☆』『フェレ天使☆』みたいな根本的に悲しいストーリー
を作って行くのは、やっている時も、やり終えた後も、しんどいですね。
  
明るい物語の方が、描く側としては良いですか?
  それは、もう、絶対的に、明るい物語の方が良いですね。
気分的に明るくなれますしね。
読む方からすれば、泣ける話・感動的な話の方が印象には残るでしょうし、評価も高くなるかも
知れませんけど。でも、描く側の立場からすれば、「そればっかり描け」と言われると、「それは、
ちょっとカンベンして欲しい」って感じになってしまいますね。
 
『ポメ天使☆』は、『フェレ天使☆』と比べると、ストーリー性が強いように思います。
その辺、何か意識された事はあったのでしょうか?
 意識はしてませんでした。たまたま、そうなった、といった所でしょうか。
元々『フェレ天使☆』の時もそうでしたけど、ストーリーを盛り込んでやろうとか、そういう意識
は頭から捨ててかかって考え初めてるんですよね。

そもそもどうして僕が天使の話を描くのかって自分に問うてみれば、それははっきりしてます。
「こういう本を手に取って読もうと思う人達に、伝えたい事があるから」です。
それは、僕の自己主張というものじゃなくて、「天使になった動物の子供達が、残された家族
へ伝えたがってる事」だと、僕は思ってるし、そう信じてるんです。
 だから、こんな「自分のカサブタを引っぺがす」ような精神的に痛い執筆作業なんて、本当
は避けられるものなら避けたいんだけれども、やらなきゃ仕方ないだろう、と。

 「命の話」なんて、僕なんかが語って良い話なのかどうかは分かりませんけど、とにかく今
は、僕が描かずに逃げたら、他の誰も描かずに終わってしまうって危機感もありました。
それじゃ、いくら何でもヒド過ぎる。
じゃあ、頼りなかろうがどうだろうが、僕がやるしかないじゃないかっ!

・・・って、そんな感じでは、やってましたけど。
 
・・・すると、≪まろんちゃん≫や≪ポメちゃん≫のストーリーは、偶然できたもの・・・?
≪キララ≫の話などは、かなり意図的に入れられたもののように思えるのですが・・・。
 ・・・う〜ん。
意図してなかった事もないかも知れませんけど。(苦笑)
でも、やっぱり、僕が頭だけで考えてやったものではないと思います。

 「何、テキトウなホラ吹いてるんだ?!」って言われるかも知れませんが、あれは、全部
まろんちゃんやポメが僕に話してくれた事なんです。
創作する中でいろいろと考えてる最中に、「君等はどう思うのかな?」って無言で問い掛けて
みた時に、ふと答えを返してくれる瞬間っていうのがあるんですよね。
その時、「ああ、そうなんだ。君らは、そう考えていたんだな」って、僕も気づく訳で。
 そうした無言の会話を長く繰り返してた結果、彼女達の言いたい事がつかめて来たので、
それを読者の人に分かりやすいように僕はまとめて行く作業をしてた、ってだけです。
 ・・・僕の中での感覚的な話では、そんな感じですね。 

 キララというキャラクターの場合は、僕自身の(いきどお)りが生み出したものと言えなくも
ないかも知れませんけど、まろんちゃん達が伝えたがってた事に通じるものだとは思います。
「百聞は一見にしかず」で、見せなきゃ分かってもらえない事も多いですし。
 キララの話は、僕個人としては、描きたくない話でした。
ポメラニアンを可愛いと思ってる僕が、何で、あんな酷い場面を平気で描けますか。
胸が悪くなる、と言うより、怒りで全身の毛が炎上しそうになりますよ。あんなの見てると。
でも、そういうものも描くしかない。伝えるためには。

 ・・・そういう気持ちがあるだけ、ですよね。
 
・・・確かに。あのショップ男には腹が立ちました。
でも、ああいう人間は、確実にいますよね。
 ・・・・そうですね。

僕自身、あの男を描いてて、はらわたは煮えくり返ってます。
この野郎、一体どんな顔してやがるんだっ!?って風にも思います。
 でも、 あの男もまちがいなく「人間」ですから。
あの男の身体にくっ付いているのは「僕自身の顔」だった、っていう可能性もあるんだ、と。

 それは、自分自身に問いただしながら、描いてました。
 
あの男達に顔が描かれてないのは、そういう意味があったのですね・・・。
 最終的には、「そういう意味合いがあった」という風に、作者意識としは落ち着いてます。

元々は、「こんなヤツの顔なんて、描きたくもないし、描くに値しないわいっ!」って気持ちが
強かったから、っていうのはあるんですけど。
でも、そんな個人的な好き嫌いだけで描いてしまうと、読んでる人に肝心の部分が伝わらなく
なってしまいかねない。
じゃう、どうしようか?って考えた時に、「これは、自分の知っているアイツだ!」とか、さっき
言ったように「私も、どこかで、誰かに対して、これに近い事をやってしまっているのかも」とか
思ってもらえたら良いかな、と。

 そう考えつつ、やってた、っていうのはありますね。 





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     のんびり歩こっっ     いつもいっしょに     あんこちゃん
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