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漫画 |
松原ともふみ |
掲載誌 |
小学館別冊コロコロコミック平成13年10月号 (読みきり) |
ジャンル |
ギャグストーリー (玩具宣伝企画) |
内容 |
児童向け玩具[バンジーボール]を紹介する企画漫画。
バンジーボール全国大会を舞台に、男・万次が大暴れ!
ハンデ付ボールを操り、幼馴染みの無念を晴らせるか?!! |
(※未単行本化)
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万次
年齢 |
10歳 |
性別 |
男 |
基本設定 |
幼馴染みナッチの応援団であったが、
ピンチを見るに見かねて代役を買って出る。
正義感が強い体育会系。 |
特性 |
運動神経は良く、小柄なわりにパワーも凄い。
バンジーボール経験は皆無。 |
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ナッチ
年齢 |
10歳 |
性別 |
女 |
基本設定 |
活発女児で、男子に混じって大会出場する。
が、妨害工作により無念のリタイヤ。 |
特性 |
運動神経抜群でバンジーボールが得意。
優勝候補に入る位の実力者。 |
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甲賀 大和
年齢 |
12歳 |
性別 |
男 |
基本設定 |
優勝候補大本命の天才バンジーポーラー。
性格は最悪。 |
特性 |
忍者の子孫らしく、超人的な忍者技を得意とする。 |
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競技委員長
年齢 |
60歳 |
性別 |
男 |
基本設定 |
玩具メーカー社長でバンジーボール大会の競技委員長。
TV中継用の放送席で解説席に座り、
想定外の事態でのアドリブ対応も瞬時にこなす。 |
特性 |
良いも悪いもノリ次第、ファジーな性格の爺ちゃん。 |
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実況アナウンサー
年齢 |
30歳 |
性別 |
男 |
基本設定 |
民放TV局専属アナウンサー。
TV中継用の放送席で実況を担当している。 |
特性 |
テンション命でとにかく盛り上げるためにしゃべくり倒す。
いささかバラエティ気質が強すぎて、解説者にも平気で
ツッコミを入れてしまう。 |
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準備期間もなく二週間位で急遽描く羽目になった短編。
当初は他の漫画家さんと編集さんが企画を進められてた様
だったが、何かの事情でこちらに回されたらしい。
万次の服装はファッション誌から指定された。
ファッションセンスが無いと思われてたからだろう。
(実際そうかも知れないが露骨に出られると良い気はせず、
三白眼になりながら仕事した記憶がある。)
個人的には好きな身なりではなかった。
特に裸足にスニーカーは馴染めない。。。
シャツのロゴは原版を使えないので「bungee」に変えたが、
作画の手間を考えて単純な形にしてた。(センス?知らない。)
何とか誌面に合わせようと四苦八苦。。
誌面では「一路万次」とセリフがあったが、
それは作者の知らぬ所。 |
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少年野球のエースだが、肩を壊して投げられなくなった。
リハビリがてら始めたのが「バンジーボール」・・・という設定だった。
が、短編だし面倒臭い設定は不要という事で、これはボツとなる。
沢村万次・・・万次(ばんじ)は「バンジー」から、苗字は伝説の名投手から頂戴。
使ってる記号は我ながら古いと思う。だから、苗字は消した。 |
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ナッチのデザインは当初から変わってない。
名前は、当時の人気アイドルから頂戴した。
デザインもネーミングも初期デザインからすんなり通った。
が、難儀だったのは、雑誌カラーで女子キャラの登場に
難色を示されたこと。これにはまいった。
作者は従姉達と一緒に幼少期を育ったので、「男子児童は
女子に拒否反応がある!」という考えに拒絶反応が起きて、
ここで少々揉めている。
物語構成上の配役でナッチは消せないキャラだったし、
主人公が「そもそもバンジーボールに興味が無い」だけに
闘いの場に立つ理由付けがどうしても欲しいというのもあった。
他に代役を作ってる時間もなく、結果そこは譲る訳にいかず。
それで、いろいろ理由をつけて強引に押し通して登場させた。
ロン毛・スカート・装飾品はナシ。
説教臭さもナシ。
・・・あぁ、メンドクサ・・・・
と内心思いながら描いてたのを覚えている。
描き手の拘りは外野からは面倒臭く映るかも知れない。
でも、それ無しにはとてもやってられるものじゃないと思う。
「理屈こねても漫画はツマンナイぞ!」と言われれば、
ゴメンナサイと言うしかない立場ではあるけれど。 |
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色紙で描いたもの。
作中のナッチはこんなキャラではない。
あげた相手がこういうのを喜ぶタイプだったから、
合わせて描いただけ。
と言いつつ、結構遊んでたりする。
喜ばれると、そのために頑張れるんだと思う。 |
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ナッチは万次とは幼馴染みという設定だが、
普段はどんな家に住んでどんな生活をしているのか、
そんな設定を作ってる余裕はなかった。
が、多分、隣同士で家族ぐるみのつき合いしてて、
女子と男子というより「兄弟」みたいな関係性じゃ
ないかと思う。
後数年経てば、ナッチの方が成長して女性化が進み、
「姉弟」みたいな関係に変わるのかも知れないが。 |
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悪役はストーリー構成上必要だったが、
編集部では悪役に関しての設定は全く無かった。
設定書では「主人公が忍者技を使う」と書いてあった
ので、その設定を悪役の方にくっつけた。
悪役の方が強くなくては話にならないだろうから。
胡散臭く、小憎らしく、自分を過信してるわりに
トンマでヌケている。
悪役ならそんなんで充分だろうと、結構投げやりに
作っていた気もする。
主人公が袖付・短パンなので、ノースリーブ・長ズボン
にしてみた。
パターン通りに、悪役は黒ずくめ。 |
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悪そうにふるまうほどに笑われるキャラ、
根は案外良いヤツかも知れないが。 |
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ちなみに、万次は当初はサウスポーの設定
にしてた気がする。
動物的勘で動く不思議キャラなら、
いちいち人と違う所があるんじゃなかろうか?って
考えだったが、作画スケジュール等の都合から
面倒な設定は全部切り捨てた。 |
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口が大きなキャラは、実はあまり好きじゃなかったりする。
ガサツな印象があるからだろうか。
ただ、仕事では下品に下品にという方向にするほどに
反応が良くなったりしたから、自然とこうなっていった。
短編で一本きりだから何とか描けたキャラだったかも知れない。 |
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万次がこの漫画で見せた性格の一端は、
「一見欲も無さげで人畜無害に見えるが、
逆鱗に触れようものなら周りがドン引きするほど
大爆発してしまう!」というものだろうか。
そこは描き手の内面が反映されてる気がする。
意図的にやってた訳じゃないので、描いたものの中に
思わぬ形で噴出してしまったものだろうと思う。
自分の内面を知られる事ほど恥ずかしいものはなく、
それだけに自分で見直すと赤面する所がある。
描き上げて程なくして、
この漫画が好きで色紙がほしいという子と会えた。
「誰も読んでないかも知れないし、それでも仕方ない」
と覚悟しながら描いてただけに、その時は感慨深かった。
報われたと思うのは早計かも知れないが、少なくとも
その子に対してだけは仕事が完遂出来たかも知れない
と思えて、それは凄く嬉しい事だった。 |
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