まつはらともふみWeb
書籍リスト
 


 ◆『ヒョコたんと幻想森』 2012年2月19日 作者インタビュー

・・・インタビュアー ( X )     ・・・作者 ( まつはらともふみ )


新シリーズ『ヒョコたんと幻想森』について、お話を伺いたいと思います。
まずは、この作品の生まれた経緯について教えてください。
 経緯については、第(1)巻の「あとがき」でも書いてますので、そちらをお読みになっていただくと、
大体わかると思うのですが・・・。 
 
それではインタビューが終わってしまいますので、このコーナー用に何か補足をお願いします。(笑)
 (笑)・・・そうですねぇ。
この『ヒョコたんと幻想森』という作品は、僕の旧作『ひよこでしゅ。』のリメイクになる訳ですけど〜。
その旧作の方は9年前の作品ですので、ここで一つ初心に返るって意味でも、ここで描いておく必要があった
・・・・って感覚は、あります。

 「きっかけ、これです!」みたいな話をした方が、何か「物作りの経緯っぽい」感じはあるのかも知れないです
けど、個人的にはそれはさして興味がなくて・・・。もう忘れちゃいましたけど。
「執筆するための意義」だけは今回再確認できつつ、描けたなぁ。・・・・っていうのは、ありましたね。
 
「執筆するための意義」?
 うん。つまり、「愛情」。それから、「好き」って気持ち。
それが大切で、実は、それ以外はさして重要じゃなかったんじゃ
ないか、っていう・・・。
それが分かった気がした、・・・って言うんですかね。

 「物語を描く、絵を描く」ってなった時、真剣になる程に、
何か小難しくなってしまう自分がいたんですよ、前はね。
漫画雑誌でギャグマンガ仕事してた頃もそうだったんですけど、
「面白おかしいだけじゃダメだ!読後に何かが生まれるようで
なきゃ、創作物じゃない!」みたいな、何かとんがった考えが
あったりとか、ね。

 「可愛い♪」って黄色い声で言った少女読者がいたとして、でも、
その子は読後にシャレにならないイジメをやっていた。・・・って事
があれば、それじゃ、ダメだろう!、みたいな、ね。
ギャグ漫画とかだと、よくあるんですよ。笑われる立場のキャラが
いたら、「こいつ、バカでぇ〜。」ってあざ笑いながら読んでる人。
そういう人は、現実世界でも、誰かしらイジメてたりする。
で、そういう人達が「イジメ方法のバリエーションを増やす」ような、
そんな材料としての漫画は提供したくない!
わざわざ時間を割いて本を読むなら、そこで何かを得て、読む前の
自分より何かが向上している、ってならないと、っていう。
そういう事をね、いろいろと考えながら、描いてたりした訳なんですよ。

 でも、そんな堅苦しい事ばっかり言ってなくても、良いじゃん、
・・・って、今回、そんな気持ちにもなりまして。
描いてる僕が小難しい事ばかり考えてると、描いた本も小難しくなる。
・・・で、それって、面白い本なのか?、・・・・って。

 そんな事も、今回、いろいろ考えて・・・。
・・・だから、ですかね。
執筆する僕が今考えるべき所は、今描いてるキャラ達に「愛情」を持つ
事だけろう、と。
この子達の事を本当に「好き」だと自分は思うから、だから、描くんだ、と。
 
 そういう事を、今回「執筆するための意義」として確信持てる所まで、
自分は行けたと思ってますんで。
だから、今回、『ヒョコたんと幻想森』という作品を描きました。
 ・・・と。そんな所でしょうかね。
 
・・・なるほど。執筆経緯の一端が垣間見えたような気がします。
では、旧作では「名前のなかったキャラクター達」に今回名前を付けたのも、その辺から?
 ですね。
まぁ、名前をつけたって言っても、「ひよこたん」って読んでたものを「ヒョコたん」にしたとか。
いいかげんな所は変わってないって説もありますけど。(笑)
 
その変は、まさに「ファジー」(※適当な/曖昧な…の意味)な所ですね。(笑)
あ。そう言えば、「ヒョコたん」って名前は、旧作の読者の方が付けたとか?
 そうそう。(笑)
「ひよこたん」って表記してあったのを、間違って「ヒョコたん」って読まれてた方がいらっしゃったんですよ。
それで、「ヒョコたん、可愛い♪」って言われてたんです。それも、9年前の話ですけどね。
それを、今回この本を描くに当たってキャラ名をつけよう〜ってなった時に、思い出しまして。
それで、「あ、ヒョコたんで良いんじゃないかナ♪」・・・って。(笑)
 
随分いいかげんですね。(笑)
 本当にねぇ。(笑)

 でも、まぁ、「この子、可愛い♪」って思った方が呼んでた名前ですから。
それが一番、この子にふさわしい名前なんじゃないかナ、と。
 
その辺りも、柔軟に、「ファジー」に作られた所なんですね。
 まぁ、良く言えば、そんな所ですかね。

でも、まぁ、僕は、愛犬に、「ポメラニアンだから、≪ポメ≫」なんて付けちゃう人ですし。(笑)
まぁ、名付けられた当人が嫌そうにしてない名前なら、それで良いかナ♪〜って思います。
 
≪ナミィ≫の名前も、そんな感じで?
 まぁ、そんな感じです。
「ニャーゴ」でも「ゴロニャン」でも何でも良いんですけど、ありきたりな名前じゃ、当人が嫌だろうから。
ちょっとだけヒネりました♪、と。(笑)
 
≪タイガ・スター☆≫は、ヒーロー調の名前ですね?(笑)
   「昭和の匂いがする」ってヤツですね。
本人は「カッコイイ」と思って名乗ってる。でも、どう考えても「三枚目」。(笑)
このキャラは、「笑われるため」に登場してる「二枚目半芸人」ですから、そんなノリで(名前も)遊んでます。
 
旧作『ひよこでしゅ。』は7巻執筆されてますが、この『ヒョコたんと幻想森』も7巻制作されるのですか?
 ・・・ん〜・・・。どうでしょう・・・。
『ヒョコたんと幻想森』第(1)巻執筆には一ヶ月半以上掛かってますからね。
この調子で行くと、7巻まで描きあげるのはどれ位時間が掛かるのか・・・。

 まぁ、描けるだけは描きたいと思ってますけど。
他の作品も執筆予定なのがいろいろとありますし。
僕の体力と、時間と、その他諸々の問題とその都度相談しつつ、やれるだけは、やってみるつもりです。
 
では、最後に、読者の方へメッセージをお願いします。
 『ヒョコたんと幻想森』は、2003年制作の旧作リメイクではありますけど、2012年最初の新作でもあります。

「絵本」というと「幼児の読み物」と思われる方もいらっしゃるかも知れませんが、この本は漫画やアニメのように、
中高生から大人の方をターゲットに制作してあります。
なので、販売サイトでは、「おとなの絵本」のカテゴリに入ってます。

 適度なマニア心でワクワクしながら接していただけると、嬉しいです。
よろしくお願い致します。

Copyright (C) まつはらともふみWeb,まつはらともふみ, All Rights reserved 2017