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 ◆ 『ひよこでしゅ。』  2008/07/23 インタビュー

・・・インタビュアー ( X )     ・・・作者 ( まつはらともふみ )

『ひよこでしゅ。』の企画意図は、どういったものなのでしょうか?
 企画意図というものは、とりたてては ありません。
半分遊びで描いたキャラ達が、元気良く遊び回る子供に成長してたから・・・でしょうかね。

偶然そうなったものだから、その偶然の流れに乗ってみよう!と思ったってだけの話です。
 
「ネコむすめ」には、モデルがいるそうですね?
 ええ。三人、個別にいます。
その人達のイメージをミックスしたような形で生まれたのが、
『ひよこでしゅ。』の中の「ネコむすめ」です。
 
「ネコむすめ」モデルのお一人は、足に少し障害があるそうですが?
 そうですね。
両足首にサポーターみたいな固定器具をつけてる女の子でした。
歩き方が少しヒョコヒョコした感じで、周りは「障害者」という目で見る人が多かったようです
が、その子自身は優良健康児童でした。
転んでも、泣かずに起き上がる。楽しければ、ニコニコ笑う。
そんな子です。
 
「ネコむすめ」に障害はありませんが、性格はそのままですね。
 変に「感動裏話」みたいにしてしまうつもりもありませんし。
それに、その子が傷害者だなんて、僕は思ってませんから。
ただ少し歩くのに不便な所がある、ってだけの話で。
「障害」ってものがあるとしたら、それは「周りの人間の意識レベル」の問題でしかない
と思います。

 だから、「ネコむすめ」は、あくまで「元気な子」。それだけです。
 
「トラさん」は、やっぱり、某キャラクターのパロディですか?
 ですね。
これは、誰が見てもそうだと思いますけど。(笑)

「映画【寅さん】にかけてるの?」って訊かれた事もありますけど、それとは違います。(笑)
 
「トラさん」はマスクマンな謎のヒーローっぽいイメージですが、
「まつはら漫画」にはヒーローがよく登場しますね?
 単純にあこがれなんでしょうね、「正義の味方」という響きが。
僕の描いてるのは、国民的ヒーローとかそんな大仰なものじゃなくて、もっと身近な
「ヒーローもどき」ですけどね。

見た目はカッコ良さとは程遠くても、何かちょっとだけカッコ良く見える瞬間がある人。
大っぴらには言えないけれど、実は密かにヒーロー視してた、って人。
「子供の目から見た、一番身近なヒーロー」、って所でしょうか。
 で、僕の場合は、それが何かズッコケてる程、愛すべき存在に思えて来るというのが
ありまして。それで、あんな感じの「ヒーロー」になってるんだと思います。(笑)
 
「ネコお姉様」は何でしょう? ヒロインではないような・・・。(笑)
 何でしょうね。(笑)
これは完全にその場の勢いで飛び出て来たキャラクターで、全く何にも考えてません。
描いてる僕としてはとにかく初出の印象が強烈だったので、本編に登場させざるを得なかった
という感じです。(笑)

 『ひよこでしゅ。』が実際に今の作風に固まる前の「草稿時点」では、この「ネコお姉様」は
「ネコむすめ」の実姉という設定だったんです。
その時は、ネコむすめは姉と二人暮しで、両親はいない事になってました。
でも、それでは何か暗くて物悲しくなってしまうので、設定し直したんです。
 
それは、また、今の『ひよこでしゅ。』では考えられない設定ですね。
 ええ。初めの「ひよこたん」なんて、両親も家族もいない、天涯孤独の子っていう設定でした。
花を手にした「ひよこたん」がテクテク歩いてるんで、「ネコむすめ」が後をつけて行くと、
ついた先はお墓。
そして、ひよこたんが花を供えたその墓は、彼の両親のものだという事にネコむすめは気づく。
・・・・っていうストーリーだったんです。
 
・・・・・それは、哀しい話ですね。
 ですよね。
その第一稿を書き上げて、自分で見直してみた時に、「うわっ、ヤだな」と思いました。
それで、もうその話は完全にボツにして、明るい話に作り直す事にしたんです。

ただ、一度イメージしたものを作り変えるというのは、簡単じゃなくて・・・。
どうしたら良いか思い浮かぶまで、半年位悩んでましたね。
 
どういうきっかけで、今みたいな話ができたのですか?
 きっかけ自体は、忘れました。(笑)
ある時、急に、ポロッと出て来たような感じだったと思います。
それこそ、その時は、憑(つ)き物でもとれたみたいな感じですね。
「産みの苦しさ」というものでしょうか。
 
・・・・なるほど。『ひよこでしゅ。』も、でき上がるまでは、それなりの
苦労があったという事ですね。
 そうですね。それなりに。(笑)
だから、可愛くもあるんだと思います。
 
 
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